今回は、『龍飛崎とその周辺巡り【前編】』の【後編】となります。
【前編】をご覧になられていない方は、そちらから先にご覧ください。
では、【後編】スタートです。
2 青函トンネル
『青函トンネル記念館』です。
世界一長い海底トンネルである『青函トンネル』の歴史と構造などを音や映像などでわかりやすく紹介しています。
ケーブルカーで海面下140メートルほどの海底にある「体験坑道駅」まで降りて行くことができます。
体験坑道へのケーブルカーの出発点「記念館駅」です。
このケーブルカーや線路などは、実際にトンネル工事で工事関係者や物資の輸送に使用していたものです。
そして、今もトンネルの保守整備等に使用されています。
海面下約140メートルの地底にある「体験坑道駅」です。
出発点の「記念館駅」は海抜60メートルほどにありますので、青函トンネル龍飛斜坑線の高低差は約200mです。
青函トンネル龍飛斜坑線は、傾斜角度:約15゜、移動所要時間(片道):7~8分です。
体験坑内の写真です。
実際にトンネル工事で使用したレールや、機械・器具を見ることができます。
トンネル内は、非常にジメジメしています。壁や足元には水滴が付いています。
青函トンネルのコンクリートの厚みは、列車が通る所で約70cm、その他の所で約20cmですが、それでも海水・地下水はしみ出て来るそうです。
体験坑内の見学は、案内人付きで約25分程度です。
(青函トンネル記念館 パンフレットより)
青函トンネルの構造です。
本州と北海道を結ぶトンネルは、現在「北海道新幹線及びJR貨物列車」が走る本坑1本のみと思いがちですが、実は3本あります。
本坑の他に「先進導坑」と「作業坑」があります。この2本は、換気・排水・保守整備工事用等で、今も現役です。
全長53.85km、海面下を走る部分の長さ23.30kmの青函トンネルの工事期間は、昭和39年~昭和63年までの約24年間(構想期間を含めると約42年間)で、働いた人の数は延べ約1,400万人です。
殉職された方は34名です。ただただご冥福を祈るばかりです。
青函トンネル記念館周囲の高圧送電線です。
記念館掲示パネルによると、排水ポンプ、照明設備、換気装置などに大きな電力を必要とするため、特高配電所、高圧配電線路を設けている、とのことです。
また案内人の説明によると、青函トンネル全体での染み込む海水・地下水の量は毎分20トンであり、北海道側から毎分10トン、本州側からも毎分10トン、それぞれ絶える事なく汲み出し続けている、とのことです。
「青函トンネル入口広場(今別町)」からの眺めです。
平成28年3月26日、北海道新幹線が開業しました。青函トンネルが完成してから、実に28年を経過しての本格開業です。
この日、北海道側のトンネル入口では、始発の新幹線が、入口手前で停止し、トンネルに向って30秒間、警笛を鳴らし続けたとの事です。殉職者への感謝と慰霊・鎮魂の念と、「今から、待ちに待った新幹線が通過します。」との報告の思いを込めての吹鳴だったようです。
以下、青函トンネル記念館の情報となります。
青函トンネル記念館
展示ホール入館料:大人400円、小学生200円
ケーブルカー乗車券:大人1,200円、小学生600円
開館期間:4月下旬~11月上旬、時間:8時40分~17時
ケーブルカー運行便数:1日往復10便(繁忙期増便あり)
体験坑道見学総所要時間(含むケーブルカー移動時間):約45分
ここまでご覧くださいまして、ありがとうございました。
次回も、お楽しみに。
たかはし